日本で唯一3種類(盲導犬、介助犬、聴導犬)の補助犬を育成および認定できる団体です
盲導犬の育成には、まず、盲導犬に向いた性格の繁殖犬を確保することから始まります。繁殖犬達は、繁殖犬ボランティアのもとで普段は生活しています。
仔犬達は、生後2ヶ月まで母犬や兄弟達と暮らし、その後、パピー・ファミリーと呼ばれるボランティアのもとで1歳になるまでの約10ヶ月間育てられます。愛情をいっぱい受けて育つことで人に対する信頼感を育み、そして人の社会で生活するマナーを身に付けます。
1歳になると訓練センターへ戻ってきますが、人でいえば17歳程になっています。体も成犬と同じぐらいに成長しています。訓練センターではまず最初に、盲導犬に向いているかどうかの適性評価を3週間かけて行います。住宅街や商店街を歩き、他の犬や猫に気を取られすぎないか、新しい場所で落ち着いていられるか、極端に恐がったり、興奮したりしないか等を見るのです。この適性評価で盲導犬に向くと判断され候補犬になるのは約4割程度です。盲導犬に向かなかった犬達は、一般の家庭でペットとして暮らします。
候補犬達は、座れ、伏せ、待てなどの基本訓練や、交差点や段差で止まったり障害物をよけて歩く誘導訓練を約10ヶ月間勉強します。
基本訓練や誘導訓練が終了した候補犬は、いよいよ将来の主人となる目の不自由な方との1ヶ月に渡る共同訓練に入ります。この共同訓練期間中に目の不自由な方は、犬との信頼関係の基礎を築きながら、犬の飼育方法(食事・トイレ・手入れの世話等)や、歩行の基本を勉強します。
共同訓練が終わり、目の不自由な方に渡って初めて盲導犬が誕生します。そして、卒業してからの1年間が、ユーザーと盲導犬にとって、とても大切な期間になります。ユーザーも盲導犬も初めての事ばかりで戸惑うことがたくさんあります。色々なことを経験しながら少しずつ時間をかけお互いの信頼関係を築いていきます。この期間協会職員は、定期的に自宅を訪問し、よりスムーズに新しい生活が送れるようサポートします。盲導犬として活動出来る期間は、2歳から10歳までの約8年間です。犬の年齢で10歳は、人に換算すると約60歳ぐらいです。
10歳を過ぎた盲導犬は引退し、引退犬ボランティアのもとで余生を送ります。
引退犬ボランティアには、一般の家庭のほか、ユーザーが引き続き飼育する場合や、仔犬の頃育ててもらった元パピー・ファミリーの家庭で余生を送る場合もあります。
盲導犬として多く使われているラブラドールの寿命は、13歳から15歳程ですが、引退した盲導犬達も寿命は変わりません。