日本で唯一3種類(盲導犬、介助犬、聴導犬)の補助犬を育成および認定できる団体です
安杖さんは、いま日本補助犬協会で、事務及び広報担当として働いています。学校訪問や各地での講演、啓蒙活動、そして募金活動、さらに、パラリンピック出場を目指して毎週金曜日には車イスカーリングの練習など、幅広く精力的に活動されています。
若いころから「自立」を意識してきた安杖さんでも、31歳で受けた大きな人生の転機に悩んだこともありました。でも、自分の境遇を受け入れ、制約があったとしても「身体を動かすことができる」ことのありがたさを感じた瞬間からふたたび……、というよりは、より一層「自立」への思いを蘇らせて今に至ります。
カーリング代表選手としてパラリンピックも目指す安杖さん(前列右から2人目)
3分の2が動かない、ではない、3分の1がまだ動く。
安杖さんから、「できないこと」を嘆く言葉は一切できてきません。
どのようにしたらできるのか。
「障害があるから自立ができない、というのは自分のなかでは違いますね」
安杖さんの一言一言は、障害があるなし関係なく、すべての人に通じる言葉として響いてきます。
取材・執筆:白銀肇